吉祥寺、センチメンタル

深夜2時ごろ、吉祥寺への手配がかかり現場に急行しました。
日中は込み合うエリアですが、深夜ならばスイスイです。
10分少々で現着。
ここかな?という駐車場を見つけると、目が合った若い女性が頭を何度も下げながら誘導してくれました。
言ってしまえば、よくあるレンタカーの軽自動車。
よくある、慣れない車でのバッテリー上がり。
通常のフロー通り、作業中に何の気なしに「まだしばらく乗られますか?」と聞くと、
「はい。これから日本一周するところで…」
と言うものですから、一瞬、作業の手が止まり、「に、日本一周ですか…?」と情けない声でオウム返ししてしまいました。
お客様は「でもどうしてバッテリーが上がったかわからなくて…」
「いろいろ教えて頂けると助かります…」
「というか、そもそも、バッテリー上がりってなんですか…?」
と、申し訳なさそうな声で続けます。
なるほど、と。
その場ではクールなロードサービス隊員を装い、お客さんが安心できるようアドバイスをして見送りましたが、私は内心、若者への感動で心が震えていました。
『車のことは詳しくない。自信もない。でも、とにかく日本一周してみたい』
そんな、はるか遠く置いてきてしまったような、純粋な冒険心。
まるで10代のころの自分が目の前に立っているかのようでした。
(まぁ、実際はお客さんと比べるのもおこがましいくらいの、ただの考えなしで無鉄砲な10代だったわけですが)
深夜の吉祥寺。繁華街からは少し離れた駐車場。
お客様を見送った後、しばらく夜空を眺めてから帰路に着くP隊員でした。




