東京レスキュー 助人サービスはロードサービス専門業者です。
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by H隊員

2005.7.31(日)晴れ
孫とドライブ

VOLVO 850のバッテリー上がり。
銀髪のナイスミドルがお客さん。
初期電圧が低目でしたので、可能ならば30分程走行して下さいと伝えたところ、

「あ〜そうですか」と言うと一旦自宅に戻ってしまった。
暫く待つとお客さんが戻ってきましたので書類にサインを貰い、
挨拶を済ませてその場を後にしようとした時に、
お客さんの自宅から赤ちゃんを抱いた若い女性が出てきた。
髪の毛からは水が滴っているから、どう見ても風呂に入っている最中に出てきた感じ。
そこでお客さん「ドライブに行くぞ!」と一言。

pictureお母さんは赤ちゃんに向かって「おじいちゃんとドライブよ〜♪」と。

父と娘なのか舅と嫁なのかは分かりませんが、とても良い関係なのでしょう。

何だかとても微笑ましい光景でした。



by H隊員

2005.7.30(土)晴れ
家の鍵まで・・

VW・POLOの開錠依頼。
鍵を紛失したが、車検証の中に予備があるらしい。
内溝キーでしたが数分で開錠、お客さんは車検証の中を探す。
程なく「ありました!」の声を聞き一安心、車検証の確認もさせて頂く。

書類作成中に鍵をなくした経緯を話して下さったのですが、
どうやら家の鍵も一緒に付いていて自宅に入れないらしい。
車のある場所は実家で、最悪今夜は泊まれば良いとの事。
大きなお世話とは思ったのですが、「大家さんに連絡がつかないのですか?」と聞くと、
「戸建なんです」とチョット照れくさそうなお客さん。

ん〜ん、いいですな〜戸建。
僕も何時かはガレージ付きの戸建・・
夜な夜な、あんなことや(エンジンばらして)こんなことを(そのまんま置いといたり)・・・
な〜んて月並みですが考えてしまう。
何時になることやら・・

と言うより可能か・・?

妄想は置いておいて現実に近いものとしてはパソコンを買い換えたい!
picture今使っているマッシ〜ンは、XPのSP2を快適に使うにはチョット遅いのです・・

「買い換える前にハードディスクの中身を整理しろ!」
との声が何処からともなく聞こえてくるような・・

デフラグやってますよ・・    ブツブツ・・



by A隊員

2005.7.29(金)晴れ
夏の思い出

ちょうど1年前も、うだるような暑さであった。
「何かひとつやってやろう」とF隊長のところに集まったA〜Z隊員。
過去へのシガラミを振り返る余裕などないくらい、前しか見ない連中だ。

実のところ、前職で役職を手にしてきた隊員も少なくない。
○○マネジャー、○○所長といった肩書きは、言うまでもなくこの仕事に不必要だが
恵まれた待遇を蹴ってでも、新しいことに挑戦する意義は高かった。

夏の朝を感じるとき、決まってA隊員はキャンプ場の朝を思い浮かべてきた。
一番楽しかった思い出なのか、何かこう弾むような期待が持てるのだ。
今年から新たなイメージが加わったようで、「何かひとつやってやろう」といった
心機一転のすがすがしい感覚になっている。

あの夏、誓い合った彼らにそっと言ってやりたいのだ

万事うまくいくだろう・・・と



by H隊員

2005.7.28(木)
イージュー★ライダー?

宵の口、代々木でヤマハ・ドラッグスターのバッテリー上がり。
バイクは病院の駐輪場に停まっていた。

携帯に連絡してから待つことしばし・・・病院内から現れたのは20代前半の女性。看護婦さんかな?
車輌を前にしてバッテリー上がりに何か心当たりがないか聞くと、
思い当たるフシは無く、突然かからなくなってしまったらしい。
嫌な予感。
ジェネレーターかレギュレーターが壊れているのかも・・
胸の奥に若干の危惧を抱きながらも、取り合えずエンジン始動を試みてセルスイッチを押す。
ポチッ
全く反応無し。
ニュートラルランプが目に痛い程明るく点いているのに一切の反応が無い。
おかしい・・バッテリー以外にトラブルがあるのか・・・?

とにかく確認

キルスイッチ
異常なし
ブレーキレバー&クラッチレバーを握ってセルスイッチを押す
反応無し
そのままサイドスタンドはらうと、キュキュキュブ〜ンとエンジンがかかった。

どうやらサイドスタンドスイッチの接触不良だったようです。
pictureと、ここでカーステレオを大音量でかけているアメ車が前を通る。
流れてきたのはステッペン・ウルフのボーン・トゥ・ビー・ワイルド←(クリックすると曲が流れます)
お客さんが乗っているのはアメリカンなので、月並みだけど
イージーライダーって映画はご存知ですか?」と聞くと
「え?イージュー★ライダー?奥田民生ですか?」と返されてしまいました・・・
           ↑
   (クリックすると曲が流れます)

イージーライダーのリアルタイム世代では無いのですが、
そこはかとなしに、心の中を寒風が通り抜けたH隊員(E十代)でした・・・



by H隊員

2005.7.27(水)晴れ
カッコつけたいときに限って・・・

二子玉川の某デパート駐車場で、マークUのインロック発生。
夕方とあって近隣は大渋滞。
直ぐ近くまで来ているのに本館駐車場までなかなか辿り着けない。
某デパート手前の交差点を右折したいが、その先が進まないので右折待ちの長蛇の列。
殆ど進んでない。
ここはバイクの利点を生かすしかない!
何をするかと言うと
バイクを降りて押す!
歩行者の邪魔にならないようにエンジンを切って押す!
ひたすら押す!
装備重量20kgは重いが気にせず押す!
 −滴る汗−

やっと駐車場入り口に着いた。
警備員に理由を伝えて入ろうとするが「バイクはダメです」の一点張り
時間の無駄なのでバイクを停めて作業に必要なもだけを持って走る!
階段も駆け上がる!
3段抜かしなんかもしちゃう!
 −滴る汗−   −上がる息−

お客さんと合流、速やかに作業に入る・・   が
運転席が隣の車と異様に近い。
鍵はハーフ
出来れば運転席からピッキングしたい。
持ち前の体の柔らかさと、腹背筋を駆使し変な体勢で作業を行う。
 −滴る汗−   −上がる息−   −笑う膝−

程なく開錠
お客さんは若い女性でしたので、スマートな登場&作業を見せたかったのですが・・

状況が許しませんでした。

なかなか思うようにはカッコつけられませんな〜・・(しみじみ)



by A隊員

2005.7.26(火)雨
いざつなげる・・あの瞬間

やはりバッテリー上がりは多い。
しかも寒い時期とは上がり方に違いがあるのが特徴だ。
ライト消し忘れとかのうっかりミスならまだしも、今まで走っていたものが急に始動できなくなるケースがやっかいだ。

点検を一通りやって異常を感じる場合、ジャンピングをお断りする場合もある。
しかしお客さんは「レッカーはイヤ」が本音だ。
バッテリーの中には使用限度を超えたものや、過充電になっているものもあり、うかつにジャンピングすると
発火するおそれがある。ということを理解していただくには、時間が必要だ。
またバッテリー液も飛ぶように売れるので、積める在庫が少ないバイクは現地調達もしばしば。
忙しい日にかぎって、作業以外に時間を割くのが多いようだ。

「すごい真剣な顔になるんですね」
ジャンピングするときにお客さんに言われた言葉だ。

言われてハッとしたけれど、おそらくこの仕事をしている人は、同じような表情になるのではないだろうか。
何百台とジャンピングしてきても、つなげるあの瞬間だけは集中力200%で挑んでいる。
だから、どちらかといえば、開錠のほうが気が楽でいられるA隊員であった。



by H隊員

2005.7.25(月)晴れ
アイスと子供とインロック

新宿3丁目より開錠依頼。
気温・湿度共に高く、肌に不快を感じる中現場に急ぐ。
車輌を発見すると、暑い中車の横で御依頼主の女性が待っていた。
「お待ちしておりました!初めてのことでどうしてよいか分からず不安で不安で・・・」

僕が到着して少し安心したようです。
「ついうっかりと言いますか、子供が閉じ込めちゃって…」
ええーー!!なんか最近良くあるシチュエーション・・
「はっ!」っと車の中を覗くと中に・・    子供がいない・・??
よくよく見ると、車を通り越した視線の先で、歩道に座り込みアイスを食べる子供を発見。
子供が閉じ込められている訳ではない。

作業は速やかに。
そしてお客さんのケアには時間をかけて。
その結果、大変満足して頂いたようです。
pictureそれにしても、今日の気温で中に子供が閉じ込められていたら・・
1分1秒を争う作業となった事でしょう。
日々、開錠技術向上の鍛錬を怠ることは許されません。

そして、今年は初のアイスを食べたH隊員でした。



by A隊員

2005.7.24(日)曇り
書き手の本音

過去の日記を振り返ってみた。
残念ながらA隊員、書いたら書きっぱなしで今更ながら恥ずかしい内容もあるようだ。

日記を書き続けるのに、書き手としては辛いより楽しいのが本音だ。
手探りで始めて、途中表現を大げさにしてみたりしたけど、
結局は日常をよ〜く観察しなくては書き続けられない。

昔「テレビばっかり見てないで、本を読みなさい」と言われたことがあった。
大事なことは見ると読むの違いで、完成された絵をおもしろがるのか、
文章から創造する絵を育むのかなんだろうけど、逆もしかり。
日常を文章化して見直してみると、思いもよらない濃厚な1日を過ごせることに気付いた。

今ではF隊長とH隊員の協力で、3人の書き手によって保たれている「A隊員の日記」
「文は人を表す」と言われるが、はてさてみなさんには3人の人物像がどのように写っているのやら。



by H隊員

2005.7.23(土)
またですか〜・・ え!

夕方、上井草よりローレルの開錠依頼。
時間帯的に少々混み始めていましたが20分かからず現着。
着いた途端にお客さんが家から出てきた。
「初めての事で動揺してます」とおっしゃるのは優しげなナイスミドル。
早速車輌を確認すると、ガレージの中でエンジンがかかっていた。
ご本人確認後「直ぐに開けますので」と作業にかかる。
工具をセットしてピックし始めると、突然車体が小刻みに揺れ始めた!
またですか・・
嫌な予感・・
最近子供が中にいたり、大型犬が中にいたりと、車体が揺れる事が続いていた。

目をこらしスモークが貼られたリアウインドウの中を覗き込むと・・
・・・誰もない。
周りを見渡しても車に触っている人はいない。
??ん??
もしかして・・・
      こ、これは・・・
             あの俗に言う・・・
ポルターガイスト現象!!

まだ陽が出てるんですけど・・
お盆はまだ先なんですけど・・・

泣き言なんか言ってみる

かな〜り混乱し始めたのでお客さんにお救いの視線を投げかけるとお客さんが一言

「地震だ!」その時になって初めて足元の揺れに気付き、その後一気に揺れの勢いが増した(杉並区は震度4)
「心霊現象と思ったら天災ですかー!」
と、叫んで見ようかと思ったけど恥ずかしいのでやめました(心霊現象の部分が特に・・)
程なく揺れが収まったので、鍵は瞬殺してガレージの外へ非難。
余震のなかサインを頂きその場を後に・・

いや〜、ちょっと恥ずかしい勘違いでした。
お客さんの前で言葉に出さなくて本当に良かった良かった・・



by A隊員

2005.7.22(金)晴れ
思い出の場所とオークラ

インロックしたお客さんと、ホテルのロビーで待ち合わせとなった。
場所は浦安市のホテルオークラ、ディズニーランド周辺の一角で、A隊員の思い出の場所でもある。
東京で一人暮らしを始めたころ、このオークラ脇の堤防には毎週通ったものだ。

浦安から晴海方面の夜景を見るのが大好きで、田舎にはない東京らしさを満喫できた。
前日まで田畑を走り回っていた男が、次の日には夜景を楽しむほどキザになりほうけている。
当時のことがかわいく思えるほど、歳をとったということか。

さてロビーに着いたものの、人が多くて探せる状況ではなかった。
係の人に聞いてみると、あっという間に伝令が飛んでいき、ホテルマンが一斉に動き出す。
さすがオークラ!
サービスはホテルマンに学べというが、まさにその通りだなぁ・・・と感心するA隊員
レベルの高さを肌で感じた。
お客さんと合流後、BMW318iを瞬殺させて気分も上々。
帰るときも出口まで誘導してくれて、何だかこちらがサービスを受けているような感じだ。

ディズニーランドへお越しの際には、ぜひオークラ東京ベイへ。
抜群のサービスで、ちょっと感動しちゃいます。
また海から見る夜景はとてもきれいなので、お見逃しなく・・・
一人で夜景を楽しむ若者を見かけたら・・・

そのときは温かく見守って下さい。



by H隊員

2005.7.21(木)晴れ
ミニトマト?

数ヶ月前の休日。
旧友としこたま酩酊した帰り道、路上に花屋が出ていた。
何気に覗くと「ミニトマト ¥100」と言う鉢が目についた。
酔っていたのと¥100と言う金額で思わず購入。
自宅に持ち帰り窓辺に置く。

それから暫くすると、トマトが黄色い花をつけた。
それを境に見る見る茎が伸び葉が大きくなり、部屋の中では邪魔なので表に出した。
花が咲いたので実がなるはずと、それから毎日観察を始める。
花が落ちるとその根本が膨らみだし、あっという間にミニトマトのサイズになった。

後は赤くなるのを待つだけと観察も、お座なりになる。

それから数日・・・
どう見てもおかしい事に気付く。
普通に売られいるミニトマトよりデカくなっている。
「水をやりすぎたかな?」と考えたが、水だけでデカくなる大きさではい。
明らかにおかしい・・ と思いつつも行く末を見守ることに・・・

そしてまた数日・・
色づき始めた。
どうやら成長は止まったらしいが、どう見ても普通のトマト。
この際ミニトマトかどうかはどうでもいい、食べてみたい衝動急上昇。
まだ青いので、ちょっと我慢。
pictureそれで数日・・
もう食べられる位に赤くなった。
機は熟した。
実は熟した。
明日の朝収穫して食べよう と眠る。

で、翌朝・・・
窓辺で鳴く鳥の声で気持ちよく起床。
待ちに待ったトマトちゃんの収穫♪
窓を開けると・・
トマトが無い! それも赤いのだけ!
訳が分からず途方に暮れるも鳥の声を思い出す。
「鳥に先を越されてしまったー!!」と雄叫んでみるも時既に遅し、
実家の庭に生えていたグミの実を、鳥と取り合っていた母親の言葉を思い出す。

「食べ頃は鳥の方が良く知っている」
確かにそうでございます。
だけど、あまりにも悔しいので邪魔だけど部屋の中に入れて、次のを待つことに・・・

で、次のは保護した甲斐があり無事収穫。んまんまと食す事が出来ました。
picture先日の休みに、トマトを買った花屋を前と同じ場所で見つけた。
覗いて見るとまだトマトが売っている。
値札は「ミディトマト¥100」となっている。
家にあるのはミニトマトじゃなくてミディトマトと言うらしい。
でも、買ったときには「ミニトマト」って書いていあったゾ!  多分・・・
酔っていて見間違えたのかな〜。



by A隊員

2005.7.20(水)曇
深手を負う前に

深夜に変わったご依頼を頂く。
バイクのドライブチェーンが外れて直せないとの事。
ロードサービスらしからぬご依頼ではあるけれど、出張整備屋としては喜んで引き受けた。

場所は南青山。
グラストラッカーを操るのは女性のオーナーさんだ。
なるほど、見ればチェーンが外れてホイールと噛んでしまっている。
カバーを外して、シャフトを緩めてと細々と修正していく。
作業中いくつか質問してみた。
  A隊員・・「チェーン調整の経験は?」
  お客さん・・「ありません」
  A隊員・・「オイル交換やパッド交換は?」
  お客さん・・「全くありません」

チェーン調整だけでも教えてほしいとの事で、嫌々ながらも?A隊員特別講習が始まる。
その手順と恩恵を話し始めていると、キリがなく出てくる。
というのもお客さんが聞き上手なのだ。
深手を負う前に終了させる。

なんとなく聞き上手に惚れてか、思い出し笑い。
お客さんに突っ込みを入れられるが、とっさに「私はそうでもないんですけどね」と答えてしまう。

まさか「助人には典型的な話し好きが何人もいる」なんて答えられない。
肝心なことは深手を負う前に切り上げることである。
聞き上手な人ほど乗せられるので注意が必要との通達を作らねば。



by H隊員

2005.7.19(火)晴れ
見た目で勘違い

宵の口、上荻より開錠の依頼。
現場に到着し、電話で連絡する前にお客さんが家から出てきてくれました。
「お急ぎかな?」と思いきや、
「夜分にすみません、お手数かけますと」大変丁寧な方。
あまりの腰の低さにこちらが恐縮、速やかに確認事項を済ませて作業にかかる。

ドア前にかがむと、薄暗い中でも車の隅々まで手入れが行き届いているのがはっきりと分かる。
ワックスは余すとこなく効いている。
車体下にもくすみは無い。
作業終了後、車がキレイなので「新車ですか?」と言葉に出した瞬間!
その車が何であるかを思い出した。
ニッサン180SX
どう考えても10年近く前の車・・
あまりのキレイさに、ついうっかり変なことを言ってしまうH隊員。
お客さんも「へ?」って顔をされるのは当然のこと・・
ですがお客さんはそのことはあまり気にせず、
「父が大切に乗っていたのを貰ったので、汚すのが申し訳なくて・・」
と穏やかな顔で教えてくれました。
pictureん〜親思いの良い息子さんなのでしょう。

と、ここで自分を省みて「見習わなければ」と、その思いを胸の内に秘めるのでした。
仕舞い込んでちゃダメですけどね。



by H隊員

2005.7.18(祝月)
車内に子供が・・そして泣いている!

夕方、本日受注担当のF隊長からメールが来た。
内容は「成増」の二文字。
F隊長が受注を受けながらメールを送信してくる時は緊急事態の合図。
詳細の電話が来る前に成増方面へと向かう。
程なく連絡が来て詳細を聞くと、「解錠依頼・車内には2歳の子供が閉じ込められている」

やはり緊急事態だ。

連休最終日の夕方とあって、幹線道路は何処も詰まっている。
バイクの機動力が生かされる瞬間。

現場は入り組んだ住宅街の袋小路。
子供のお父さんが、表の道まで出てきてくれていた。

車の横では、お母さんが泣きながら中の子供に声を掛けている。
僕が走り寄ると震える声で「お待ちしてました、お願いします!」と言ってその場に座り込んだ。
作業の準備をしながら車内の様子を伺うと、子供は大声で泣きながら暴れている。

早く出してあげなければ! 気持ちは逸る。
車はマークU
鍵はハーフ
鍵穴を覗くと中は大量の汚れでディスクが良く見えない。
市販の鍵用潤滑剤を使ったものと思われた。
ディスクに触ってみても著しく反応が悪い。
そのままピックしても開けられるが、事は急を要する。
飛ぶようにバイクまで戻り、洗浄用のスプレーを持っきて「これでもか!」と鍵穴にかけまくる。
その時、後ろから「ここの場所は直ぐに分かったか?」との声がする。
振り返るとそこにはおじいさんが立っていた。
「何とか迷うことなく着きました」と言うと、軽く頷いてからおじいさんは車に近付く。
そして、窓に張り付き中の孫に「○○ちゃん頑張れと!」と声をかけ始める。

作業をするにはメンタル的にチョット厳しい。
だけど、この種の鍵は散々現場で開けている。
直ぐに半分まで回す。

「もう開きます!」
僕が言うと、中の子供以外一斉に口を噤んだ。
残りを迷うことなく入れ、シリンダーを回しドアノブを引く。
「開きました!」と告げると、お母さんは唇を震わせ声にならない声で
「ありがとうございます」
そう言うと堰を切ったように大粒の涙がこぼれだ出した。

現場到着から開錠まで約3分
車外に出された子供に弱っている様子はなかった。
それを確認してホッとするH隊員、緊張が解かれる瞬間です。

書類作成後、現場を後にしF隊長に終了メール送る。
直ぐに返信が来た。
本文には「東中野 お急ぎ」
どうやら余韻に浸っている時間は無いようです。



by F隊長

2005.7.17(日)晴れ
心の中心で助さんが叫ぶ

もう日付が変わろうとしている時間にレンタカー業者のインロック
すぐ近くなので、あっという間に到着
車はスバルのサンバー
運転席から着手するも車道の往来が激しく助手席に移動
まあ実用車なので速攻で開いた
清算を済ませ、帰ろうかと支度していると
「ドアが開かなくなったよ」と呼び戻される。
どうやら運転席側のようだ。
見てみると内側からドアが開かない・・反応が無い
おかしい・・大して触ってないのに
いぶかしげな御客様の顔を見ながら一言いわせていただく
「私が来る前になんかいじりました?」
「針金で開けようとしましたけど」  あっさり白状する。

あぁ・・やっぱり

今さっきまで、明らかにお前が悪いんだろうって顔してましたね・・
『ひかえおろう〜 ここにおわします方をなんと心得る 恐れ多くも以下略』
心の中の助三郎が叫ぶ・・

原因を突き止めるといきなりしおらしくなる店員さん
「なんとかなりますか?」というので
内装を剥がし、乱暴な針金操作のおかげで外れたロッドをかけなおす。
帰り際は深々と頭を下げられました。



by H隊員

2005.7.16(土)晴れ
車内に子供が・・・

最新BMW525iの開錠依頼が入り詳細を聞くと、中に子供が閉じ込められているとの事。
空でも飛んで行きたい気持ちとは裏腹に、出勤時間の渋滞は何時もよりひどかった。
やっとの思いで着いた現場。
エンジンがかかったままの525iの傍らには、若くきれいなお母さんが不安そうに待っていた。

閉じ込められた子供は3歳前位の男の子。
運転席でハンドルを握りしめ、フロントガラス越しにこちらを見ていた。
特に泣いている様子は無いが、速やかに開錠しなければならない。
作業を始めようとドアの前にしゃがみ込むと、窓に張り付いた男の子と目が合った。

「泣かれるかな?」
一瞬脳裏を過ぎりましたが、子供は笑顔を見せ笑ってくれる。
人なつっこい子。
無垢な笑顔で窓ガラスを叩く姿を見ると、早く出してあげたい衝動に駆られる。

鍵はBMWの内溝、簡単とは言えない鍵。

幸い雨は降ってない、この事だけは空に感謝したい。
感謝でドアは開かないので作業に取り掛かる。
車体の横に跪き鍵穴を覗く。
数秒後、何やら眼に異常を感じる。
長時間のアイドリングで車体から放たれる熱気のせい。
構わず作業に入るが熱で目が乾き、刺激で瞼を開けてられない。
これでは作業にならないと、超強力クール系目薬で強制号泣
男泣きで作業を再開。
滲む鍵穴の奥に見えるディスクはすこぶる反応が良い。さすが新車。
ピッキングする度にシリンダーが開錠方向に動く。
順調に進み、あと数枚ディスクを入れれば開錠と迫ったその時に、
突然車体が動きだした!そして入れたディスクが殆ど戻ってしまった!
んがーー!! 何事か!!
ガバッ! 顔を上げると、車が「よっこいしょ よっこいしょ」と動いている。
??どう言う事??  と車内を覗くと・・
子供が「ふん!ふん!」と車のハンドルを左右に切っている。
さすが車速感応式パワー・ステアリング・・・ 3歳児でも楽々ステアリング♪
感心している場合ではない。
これでは埒が開かないし、ドアも開かない。
揺れる車体にリズムを合わせて、丁寧にピッキング。
ちょっとキツイが何とかなっている。
だけどどうしても入りすぎるのが一枚ある。
pictureその一枚を揃える為にゆっくりとテンションの力を抜く。
微かに問題のディスクが動いた。
それと同時に抵抗がスッと抜けシリンダーが回り始める。

解錠。

ドアを開けエンジンを切ると子供は驚きの表情を見せていたけど、
お母さんに声を掛けられ顔は満面の笑み変わった。
長時間閉じ込められていたにも関わらず、子供がとても元気だったのが何よりです。

これからの季節、小さな子供が車内に閉じ込められると危険な状態になる可能性が少なくありません。
いつか、現場到着と同時に窓ガラスを叩き割らなければならない事態に直面するのだろうか・・?

その時は躊躇なく叩き割ります。



by A隊員

2005.7.15(金)晴れ
勝ち負けよりも大切なもの

東雲のジャスコにてインロックしたお客さんは3人家族。
バツの悪そうなお父さんの後ろにいる、不機嫌な顔した中学生らしきお子さんが印象に残った。

そういえば最近の報道では、若者のキレやすさが問題視されている。
「15の夜」にも歌われたように、微妙な年齢というのもあるだろう。
ちなみにA隊員の15歳といえば80年代。
当時の日本はまさにイケイケで、強い大人がたくさんいたように思う。
全てが「お金と学歴」で比較されているようで、窮屈な思いもしたけれど、全体的には明るかった。
それと比べて今はどんな風景なのだろう。

作業はあっという間に終了した。
ちょっと驚いたのは、照れながらもお父さんが子供に謝っているところ。
典型的な親父ギャグも飛ばしているせいか、お子さんの顔もほころんでいた。

人は簡単に謝れるであろうか・・・
なんとなく負けたくないといった気持ちは、他人と比較されてきた80年代の、
いやそれ以前からの、負の部分のような気がする。
どちらかといえば負けることのが多い現代ではなかろうか。

さすがに当時の価値観で生きていたら歪んでくるかも・・・なんて考えながら
インロックしたお父さんに、見習うところが多そうなA隊員であった。



by H隊員

2005.7.14(木)晴れ
バースト

昼食を食べ過ぎて「苦ひい・・・」と言っている時にローバーミニのスペア交換が入った。
腹ごなしには体を使うのが一番。
とは言うものバイクに跨るのも苦しい・・
正直、前傾姿勢のバイクじゃなくて良かったと思った。

そんな事はさておき、現場に到着するとミニの右前輪がバーストしていた。
お客さんに聞くと、数ヶ月前パンクして予備タイヤに交換しそのまま乗っていたとの事。
予備といっても純正で最初から付いているホイール(車載の予備ではない。4本付いていたうちの一個)
どういう事かと言うと、

車輌購入後、社外ホイールに交換
普段は社外ホイールを使用
数ヶ月前にパンク
予備(純正標準装備)に交換
純正だしそのまま使用
社外は修理して積載
そして純正のバースト
pictureバーストしたタイヤを見ると、横に裂けてワイヤーが飛び出している。
裂けているところは走行面。
何か刺さったらしき跡は見当たらず、よくよく見るとタイヤの劣化が著しい。

お客さんにその事を告げると、「10数年前のタイヤです」との事。
なるほど・・古すぎるタイヤを使っていた為にバーストしたらしい。
すぐさまホイールを交換し、4輪とも同じ社外ホイールになった。

これから行楽シーズン本番。
車でお出かけ予定の方は、右写真のようにならない為にも
出発前にタイヤの空気圧や劣化(スペアタイヤも)の点検を忘れずにお願いします。



by A隊員

2005.7.13(水)雨のち曇
さわやかな朝を取り戻せ

「調布市深大寺からBMWインロック・・・」
休み明けのA隊員、自宅から出勤しようと雨ガッパを着込んでいると、本部から入電。
いやめずらしい、自宅近くでのご依頼とばかりに現場へ急行した。

およそ15分、現着してみると’86年型540のエンジンはかかりっぱなし。
上からの雨とエンジンからの熱気で、休息充分さわやかなはずの朝はぶっとんだ。
早速ピッキングしてみると、なかなか回る気配がない。
久しぶりに「ヤバイなあ・・」とさえ思ってしまう始末。
一旦作業を中止して、ずぶ濡れの頭をふいて再チャレンジだ。

逆に回し解読してから、再度開錠方向へピッキングする。
少し遠回りだが確実だ。
この状況で30分以内に開錠できたから、まあまあとしよう。

浜田山を通過して、通勤ラッシュの都心に入る。
どうやら雨ガッパを着ているのはA隊員だけのようだ。
というか降っていたのは、多摩地区だけか。

こう短時間に、天気がコロコロと変わると、1日が2〜3日分に感じて得した気分になる。
朝からシャワーを浴びて、冷た〜いアイスコーヒーを満喫するA隊員であった。



by F隊長

2005.7.12(蚊曜日)曇り
なにかっつーと集中できない自分

最近、開錠がやりづらい
暑さに弱い隊長はこの季節、作業は半袖で行なう。
現場に付く頃は結構汗が滲むことも多い

真剣に鍵穴を見つめ、エッチラ作業をしていると
耳元で「フ〜ン」と音がする。 目をやるとあのやたら黒い「蚊」
なんて名前の蚊か知らないがちょっとシマシマなやつ

すんごく気になる

腕とかにも止まっている感覚がたまらなく集中力を削ぐ。
ムシガードなどという製品もあるのだが、自分自身があの匂いにやられる。
たぶん一部の人間にも効果アリとみた。
ゴキジェットにも隊長は弱い、むせまくる
虫体質なのかもしらん

そんなわけで公園近くとかの仕事は他の隊員に任せようと一人考えている。
すまぬ皆の衆



by F隊長

2005.7.11(月)晴れ
鍵を閉める意味

マツダのRX−7のFCモデル
もう15年くらいは頑張っていそうな車の開錠依頼。

現場は杉並区、現着してみると思っていたよりくたびれている。
車内はオーディオ無し、カーナビ無し、ゴミ散乱というシンプルながら
「車は下駄さ」という信念を感じさせるスタイル。
さらにはサイドミラーがガムテープで止めてある始末。
しかもパコパコ動くし・・・

ナンバーさえ付いていなければ放置されていると勘違いしそうだ。
勿論、開錠はすぐに終了し御客様も大喜びなのだが
喉元まで出ている言葉を飲み込んだ。

「鍵をかける必要は無いんじゃないですか。誰も盗りませんよ」

いや 口が過ぎました ごめんなさい 二度と思いません。
またよろしくお願いします。



by F隊長

2005.7.10(日)晴れ
一万円の重み

中野区でのインロック
向かう途中で本部から電話あり。
どうやら以前も助人で開錠した御客様らしい。
車はアストロ、それも比較的簡単な鍵のバージョン。
前回開錠したH隊員より詳細報告を受け、現着

道端に止めてある車を一瞥し、御客様に清算の確認をする。
現金での支払いという事で1万円を少し超える金額。
「わかりました」との言葉を待ち、着手する。

開いた。 開いたのはいいが、御客様に告げるべきか・・
なぜなら着手してから10秒も経っていない
早すぎる・・ 1万円の重みが感じられないほど早い
「これで一万円?」といわれそう・・

いやいや早いに越した事はない と15秒後に立ち上がり
「開きました」と報告。胸を張って料金を頂戴した。

それにしても過去データを記憶していたH隊員には頭が下がる。



by H隊員

2005.7.9(土)曇りのち雨
集中ロック

ヤマハ・グランドアクシスのメットイン開錠の依頼。
あいまいな住所を頼りに現場に向かい、
何とか車輌を探し出しお客さんを見つけると、随分憔悴しきっている様子。

聞くと、クレジットカードに付いているロードサービスを頼んだらしいのですが、
期限が切れていて有料になってしまったということです。
有料ならば結構な金額、落ち込むのも痛いほど分かります…
「もう悪いことは重なるもんですね、疲れきってしまいました…」と漏らすお客さん

直ぐに終わらせたいのですが、この車輌は集中ロックシステム、一筋縄では済みません。
鍵の説明して5〜10分では開かない事もあると理解してもらい作業に入る。

ちょっと離れた所から「は〜…」とため息が聞こえる。
早く開けたい気持ちとは裏腹に、シリンダーは言うことを聞いてくれません。
ハンドルロックは直ぐに外れましたが、シートロック解除がなかなか出来ずに時間だけが進む。
シート近くに鍵があればそれ程重くは無いのですが、メインキーと一緒のハンドル近くともなれば
必然的にワイヤーは長くなりシリンダーの回転は重くなる。
picture「は〜…」
ため息が聞こえる…
「んーー!!早く開けなければ!!!!」
逸る気持ちだけが一人歩き。
物理的なやり難さは、持ち前の腹筋と背筋でカバーしていたが、
そろそろ限界と思い始めた矢先に手応えあり!
「にゅ〜っ」とシリンダーが回り、シートがバコッ!と持ち上がる。
筋力の限界が来る前に開錠出来て「ホッ!」と胸を撫で下ろすH隊員。
お客さんも一安心。

ですが…精神的(金銭的)ダメージが大きかったせいか、
お客さんの目は黄昏ている様に見えました。



by H隊員

2005.7.8(金)晴れ
ちょっと強面

ローバーミニのジャンプ依頼。
向かった先でお待ちのお客さんは裸足にサンダルでちょっと強面の雰囲気。
開口一番は「何だ兄さんバイクで来たのか?」でした。
聞く所によると、自分の車を修理に出して借りた代車が止まってしまったらしい。

「借りた時からバッテリーが弱かったので嫌な予感はしていた」と言う言葉の端から、
怒っているのか否かは読み取れません。
速やかに電圧を測り、確認を取ってからジャンピング。
何の問題も無く一発始動。
「こちらの書類にサインをお願いします…」と言うより先にお客さんはどこかに行ってしまった。
待つこと数分…
お客さんは500mlのウーロン茶1本と缶コーヒーを2本買って戻ってきて、

「ありがとうな、これ飲んで」と、そのうちのウーロン茶とコーヒー僕にくれる。

恐縮していると「サンダル買いに来たら止まってしまって参ったよーっ」と初めて笑顔を見せました。
最初の印象とは裏腹に、実はとてもフレンドリーな方でした。
picture言葉の感じからして多分江戸っ子。
口調がぶっきら棒に聞こえたのはそのせいです。

多分…



by H隊員

2005.7.7(金)晴れ
半ドア

トヨタ クラウンがトランクにインロックしたとの一方。
現場に到着すると窓ガラスが開いている。
鍵が見つかったのか、自宅からスペアを持ってきてもらったのかな?
と思った矢先にお客さんが、
「鍵はトランクなのでお願いします」と。
「??トランク・オープナーで開かないのですか??」と聞くと
「説明書を見て色々やったけど開かない。もしかしたら今半ドアなっているせいかも知れない。
外からは開かないし、中から開けようとするとアラームが鳴る。
さっきも鳴らしてしまい近くの会社の人に『喧しいので鳴らすな!』と怒られてしまいました。
トランク・オープナーで開かないのはセキュリティーが作動しているせいだと思う」とお客さん。

半ドアで開かない時は、逆にドアを押して閉めてしまうとロックが解除されて普通に開く時があります。
窓が開いているし、それをやってみようとしたところ、
「アラームが鳴るので触らないで!!」と止められてしまいました。
お客さんの制止もあり、アラームを鳴らさずに中からトランクを開ける方法を探すより、
ピッキングでトランクを開けた方が速いので、トランク開錠に入りました。
トヨタの内溝はピッキングの途中でディスクがとても硬くなる事があるのですが、
この鍵は、まさにそんな鍵でした。
ベンツ・BMW等の内溝は、優しく触って開錠するのですが、
トヨタの内溝は力を必要とする事が少なくありません。

ガシガシと、強めですが丁寧にピッキングをする。
6分程で開錠。
鍵はトランクの真ん中に ぽつねんとありました。
その鍵で窓越しにエンジンを始動。
固唾を呑んでドアを開けると何事もなく開きました。
ホッとするお客さん。

半ドアでセキュリティー作動。
トランク・オープナー作動せず。
今回のご依頼は今までに無いパターンでした。
ん〜…、日々勉強です。



by A隊員

2005.7.6(水)雨のち曇り
車両をキレイに保つということ

この時期の洗車は報われない。
そんなこと知っていても、自分の車両に磨きを入れる。
お客さんの前に登場するとき、その一瞬の出会いが全てで、汚れた車両では都合が悪いのだ。

丸の内にてマスタングの開錠依頼。
I隊員の工具のおかげで、今回も楽々撃沈させる。
お客さんはバイクに興味があるようで、そのままバイク談議。
良く効けば、A隊員の愛機でもあるTDMの購入を考えているという。
余すことなく愛車自慢をして終了した。

車両をキレイに保つということ。
今日は思う存分報われた。というか汚れていたら自慢までは出来ないかな。

雨にも負けず、風にも負けず
身なりと同様、車両を磨いて乗り切ろう。



by H隊員

2005.7.5(火)雨
旅行前のインロック

下高井戸でスズキ・エスクードのインロック発生。
激込みの環七と甲州を抜けて現場に到着すると、お客さんはかなり焦っていました。

「これから旅行に出かけるとこで、40分の電車に乗る予定だったんだけど…」

時計を見ると14:25。
現場から一番近い駅は上北沢。
歩いて5分くらい。
全てを5分で終了させれば電車に間に合う。
「お任せ下さい」    キラッ!
きっと目が光ったと思います。
ご本人確認後、巻きすぎたゼンマイ人形のように不自然な動作で作業にかかる。

作業開始から1分経過。
シリンダーが回ってモーター音と共に「バコ!」っとドアが鳴った。
開いたと思ってノブを引くと開かない。
痛恨の施錠方向。
すぐさま逆回しに入り、30秒かからず開錠。
時計は14:28を指している。
サインを貰っても時間は余裕がある筈。
「お客様、電車に間に合いますね!」
と満面の笑みでお客さんに言うと、
「間に合わないよ、東京駅40分発だから」

 冫、 え…
 `   
単純に僕の早とちり…
ですが次の電車に乗れば間に合うとの事(飛行機に乗るのか新幹線に乗るのかは聞いていません)
一瞬気が抜けましたが、結果は上々です。



by A隊員

2005.7.4(月)雨
人を思いやる言葉

疲れていると自己中心的になるのはA隊員だけだろうか。
そんな嫌な自分自身とお別れできたのは、延々と雨が降る本日最後の仕事。
銀座にてフォルツァのバッテリージャンプであった。

雨が強いせいか作業は難航するものの、無事ジャンピング終了。
バッテリーの上がった原因をお客さんとともに考えた。
購入してからまだ1年未満だと、バイク自身のトラブルというよりヒューマンエラーの可能性が高い。
始動方法、メットイン室内灯、メインスイッチと確認したが、はっきりと断定できるものは確認できなかった。

「何も知らなくてすみません」とお客さん。
よく日記のネタにもするけれど、バイクを所有するには車以上の知識が必要だ。
でも前もって知る人はいない、全ては知るキッカケを見逃さないのが大事と考えるA隊員。
お客さんにとってのキッカケは言うまでもなく今なのだ。
時間の許す限り、頂いた缶コーヒーを飲みほすまで、余すことなく話し込んでいた。

今まで色んな言葉で、励まされたり反省したりもしてきたが、
「来てくれたのがあなたで良かった」と言われたのは初めて。
お客さんの勤めているお店まで教えていただいた。

「ありがとう」も嬉しいけれど、それ以上かも。
照れくさいが、小さい殻に閉じこもっていた自分を、振り返るゆとりまで実感できる。
人との接し方を改めて勉強させていただいたA隊員であった。



by H隊員

2005.7.3(日)曇りのち雨
専用ボルト

首都高5号線東池袋出口近くで、ベンツのスペア交換依頼が入る。
飯田橋から高速に乗り、お客さんから聞いていた目印の「東池袋出口300m」標識まで来ると、
その先にある非常退避帯に車は止まっていました。
本線上では無いことにホッとしたのは正直なところ。
早速ホイール交換に取り掛かり、スペアタイヤを取り付けようとするとボルトが空回りする。
「ん?」
良く見ると、ボルトの長さが足りない。
スペアホイール専用ボルトが必要らしい。
トランクから車内から、探しましたが見つからず、
お客さんに購入したところに問い合わせてもらう。
車屋さんの返答は、「奥まで刺さらなくてもそのボルトを使って、ゆっくり走行してくれ」 との事。
「ええー!!」
ネジが一山もかからないんですけど…
その事をお客さんにも確認して貰いもう一度連絡を取ると、
車載工具と同じ場所に無ければその場での交換は無理ということでした。
やはりそうかとは思いましたが、今一度と車の中を探しまくったのですが見つからず、
ならばパンクを修理をしようとタイヤを確認すると…
長さ3〜4cmの鉄板が刺さっている…

ガクッ!…

修理不可能…
pictureお客さんにその事を伝え、アシスタント会社さんに連絡を取り、
レッカーの手配をしていただきました。

最後の別れ際までお客さんは感謝の言葉を掛けてくれましたが、
為す術無しが非常に残念でなりません。



by H隊員

2005.7.2(土)晴れ
キャンペーン・ガールで思い出す仕事

吉祥寺本町にてマツダ・ボンゴの開錠依頼が入る。
コインパーキングに停まっているとの事。
現場でお客さんと合流し作業を始めようとすると、
お客さんから「どのくらいで開きますか?」との問い合わせ。
「3分以内で開けます!」
と、宣言をすると携帯でどこかに電話。
「鍵屋さんが到着して開けて貰っている。もう来ても良いよと伝えて下さい」と話してました。
宣言よりも早く1分程で開錠。
するとインロックの経緯を話してくれました。
お客さんは路上キャンペーンの仕事で女性数名を連れて来ていて、
その車を待機場所として使っているとの事。
代わる代わる女性たちが休憩を取っていたけど、その内の一人がインロックをしてしまったらしい。
「ありがちなパターンなので、気を付けろと言ってはいましたが、やってしまいましたー!」と笑うお客さん。

その話しを聞いて思い出した事が、僕の初開錠。
場所は中央区八重洲。
本屋さんの前でのキャンペーン。
待機場所に使っていた車をキャンペーン・ガールがインロック。
車輌はトヨタ・ヴィッツ。
A隊員も一緒にいたためか、緊張もせず4分で開錠。
その後、A隊員お勧めのカレー屋さんで昼食を取り別れる。
帰り道、その頃になって達成感は軽い眩暈とともにやってきました。

あの日以来、車のインロックを開け続けています。

これからも開け続けます。



by H隊員

2005.7.1(金)雨
思い入れのある車

目黒区青葉台から、ボルボ240のインロック開錠の依頼。
現場はお洒落なレストランの駐車場。
時間がお昼時でしたので店内は満員。
一瞬、中に入るのを躊躇した時、上品な御婦人が立ち上がり僕の方にきて「鍵屋さん?」と声を掛けてくれました。
車は、店の目の前でしたのでご本人確認後 直ぐに作業に取り掛かります。

おそらく1990年位の車輌ですが、大事に乗られているらしくとてもキレイ。

鍵の中にある、ディスクもグリスも汚れていないのにはビックリ(グリスアップした後の様)
作業をしながらその事についてお客さんと話しをすると、「思い入れのある車なんです」との事。
そうしているうちに開錠。
picture「中でご飯食べて行きませんか?」とのお誘いを受けましたが
「仕事中なので…」と、泣く泣くお断りさせて頂きました。
その日は忙しく、とても中抜けさせてとは言えません。

お客さんのプライベートに立ち入る様な事は仕事上しませんが、
その「思い入れのある車」の話しを少しだけ聞きたかったな〜…
なんて、思ったより忙しい日の昼下がりでした。



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