by A隊員 2004.12.31(金)雪 雪の年末は開錠レベルUPへ
予報通り昼から雪が積もった。 バイクでの移動は無理と判断し車での出動となる。 A隊員は後詰で待機したが出番はなく、鍵の研究に時間を割いた。 年末であっても大雪であってもA隊員には関係ない。 各隊員の開錠時間の短縮のみを考えた。 開けづらく細工した鍵を、みんなに開錠してもらい1日が過ぎる。 結果改めて苦手なところを再確認でき、練習するポイントをつかめたようだ。 ひょっとするとA隊員が一番勉強できたのかもしれない。開錠平均をさらに5分短縮できそうだ。 来年は10分以内を目指して頑張ろう。 思えばたくさんの人に励まされ、教えて頂いた1年であった。 助人を代表して厚く御礼申し上げるとともに、 来年もどうぞよろしくお願い致します。
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by A隊員 2004.12.30(木)晴 バイクの始動は難しい
前日の雪の影響あってか、バッテリー上がりが続出だ。 中野区でもCB750のバッテリーが上がったとの知らせが入る。 現場まで10分。そこにはピッカピカの新車がお出迎え。2ヶ月前の納車の日から乗っていないという。 まずお客さん自身にエンジンをかけていただく。 キーをONにし、いきなりセルを回し始めるお客さん。 「キュルキュル・・・ビビビビ・・・」といった調子だ。 A隊員は考えた。まず何から話そうか・・ 最初にチョークを使った始動の仕方から、スロットルワークでアイドリングをキープする方法を実践。 一通りエンジンが始動できるようになったら、なぜ必要かをアドバイスさせて頂いた。 まず行動でもって、信頼されるよう努めてから、お話ししたほうが説得力も増すような気がする。 車と違ってなぜバイクは始動しにくいのか。簡単な構造と負荷のかかる場所、注意点などを お客さんの顔色見ながら進めていく。 A隊員は話し好きだから、セーブしておかないと逆効果になってしまうのだ。 「初めてロードサービスを利用しました。大変勉強になりました♪」 セーブしたのが良かったのかお客さんは大満足の様子。 「お役に立てれば何なりと!」笑顔でお別れ。 最近二輪のお客さんが増えている。 助人隊員は染み付いている知識を提供するだけだが、徐々に認められている実感を手にした。 これから益々増えていく事が予想されるが、宝の持ちぐされにならないよう努めなければ。
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by A隊員 2004.12.29(水)雪 開錠時間の短縮、それはとんち比べ。
A隊員はこの忙しい年末に休日を頂き、開錠作業の底上げに没頭した。 雪の中、他の隊員は車で出動しているので、「寒い日は車のがいい」になっていないか心配だ。 さて今年つまづいた開錠作業を元に、データを拾い上げて対策を練る。 皆、知識と技術は均衡しているものの、開錠時間の差はまちまちだ。 隊員ごとの苦手な車、鍵の種類を上げてみる。 すると時間のかかったポイントに絞ることができた。 そのポイントに一旦はつまづくものの、クリアできる時間に差が出るらしい。 作業の精度を高めるには、ただ漠然と練習すれば良いというものでもない。 つまづくポイントを徹底的に練習することで、イレギュラーに慣れてしまうしかない。 では効果的に練習する方法を考える。 A隊員が自ら作り出した難解な鍵を解いてもらおう。 どんな鍵でも一度解いてしまうと、次からは簡単になってしまう。 肝心なのは原因を追求する意欲だ。 問題が発生した「なぜ?」から何を想像するのか楽しみだ。 さあ明日からA隊員との、とんち比べが始まる。
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by A隊員 2004.12.28(火)晴 原因追求に全力を
鍵の中身はいくつもの種類がある。 こと細かく説明したくても、職業がら控えめにしなくてはならない。 見えないところを見ようとする意欲、また想像を働かせ開錠へと導く。 例えればパズルのようなものであろうか。 今まで簡単だと思ってきた鍵でも、年式や配列によって別物に見えるときがある。 今日はそんなパズルに出会った。 開けられる自信があるのに、回る手応えのないときほど焦ってしまう。 最初に頭に入ってくるのは「なぜ?」だが、「もしかすると・・」と真っ先に浮かぶのは難しい事のが多いようだ。 目に見えない壁にぶち当たると、ものすごく高く、分厚いものを想像しがちである。 潜在的な防衛本能が緊張感を高めているのだろうか。 事の多くは乗り越えたあと、簡単な原因だったというのが以外とある。 それを知っているから、「なぜ?」に遭遇すると簡単なものから追求する事にしていた。 今回のパズルはちょっと難しかったけど、緊張している中でのせめぎあいは、言葉で説明するのに限界がありそうだ。 経験と想像力だけで言い切ってしまうには、あまりにもつまらない。 「なぜ?」から葛藤が始まり、克服する過程はもはや快感すらおぼえる始末だ。 問題が発生して、原因をつきとめる。それに見合った解決策を打つ。 今回の作業を通じて、原因を追求する能力がいかに大切なことかとつくづく感じた。
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by A隊員 2004.12.27(月)晴 アウディの右ハンドル
年末真っ只中だ。 日記を書こうにも連日出動しっぱなしのA隊員である。 夕方世田谷区上祖師谷にてバッテリーが上がったとの知らせ。 帰り道のA隊員が急行、受注してから22分後に到着。 現地ではアウディ100がお待ちかねであった。 さてボンネットを開けると、美しすぎるフルカバーのエンジンが現れた。 そんな事では驚かないのがA隊員「たしかこの辺にコネクターが・・・」 どこを探しても、それらしきものは出て来なかった。 今までのアウディとエンジンルームの構造が違う。 「これはイカン」と思い、オーナーズマニュアルをお借りする事にした。 読んでみると確かにコネクターが存在するではないか、さらにページをめくっていくと 何やら小さい文字で”右ハンドル車のみコネクターは付いていません・・・” 早速ボルトを緩め、リヤシ―トを外してバッテリー本体に直接つなぐ。 無事作業も完了した。 お客さん「随分大掛かりな作業になるんですね〜」と感心。 寒いのに汗がしたたるA隊員。 同じ車に何度も接してきたが、ハンドルの位置で構造が変るとは・・・ 考えてみればごく自然な事であった。
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by A隊員 2004.12.26(日)晴 戦略よりも戦術をPartU
旧友と夢について語り合った。 友人は夢を達成し得たものだけが幸せだと言い切る。 いわば結果を尊重するタイプで、大きな夢を持ち、戦国時代なら一国一城の主へ 強いては覇者になりたいという。 エラくなれば幸せかというと少々疑問が湧いてくる。 以前A隊員が配送員をしていた頃、仕事が楽しくてガムシャラに働いた。 その後運良く管理職になると、目標を達成する為に今度は追われるように働く。 残念ながら良心を持ちつづける事が出来たかどうかはあやしい限りだ。 昇格すればするほど、何か大事なものを見失っていったような気がする。 仕事は結果が全てでも、人は過程を楽しみ思い出とするならば、 地位や名誉はおまけであって、どれだけガムシャラになれたかが大切だと思う。 「正しい心」を持って、思ったことを実践し続けられたら 途中泣く事はあっても、結果不幸にはならない自信がある。 A隊員には覇者になりたいという夢はない。 信念が揺らぐこともなく、良心に従って生きたいと願っている。 夢があるのにストレスの凝り固まった友人は、何のために生きているのだろうか。 夢を壮大に語るのは気持ちいい。 でもガムシャラに動くほうがチョー気持ちいい。
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by A隊員 2004.12.25(土)晴 戦略よりも戦術を
以前、戦略と戦術の違いについて学んだ時があった。 戦略とは勝つための総合的な方針を示し、およそトップが決めて下々に浸透させていく。 戦術とは個々の戦い方を効果的に促す、いわば戦略を達成するための具体的な作業方法となる。 世間一般には、戦略のが重要視されやすいような気がしてならない。 およそ会社の経営方針はどれもすばらしいのに、世の中結果が伴わないほうが多いからだ。 だからといって方針をコロコロ変えていたら、その内信頼さえなくなってしまう。 浅はかではあるけれど、今まで得た経験は十分に生かさなければ・・・ 助人にも戦略はある。肝心なのはどのような戦術で達成するかだ。 先日隊員同士の会話を耳にし、情けないような気持ちになってしまった。 今後の助人の行方を熱く議論した後、開錠作業についての話しになる。 最後にある隊員が「H隊員は腕がいいから、早いし確実なんだよ」で、もう一人も納得していた。 A隊員が残念に思ったのは、常々感じていた世の風潮を目の当たりにしたからである。 どんな作業でも問題点はあるもので、いかに克服すべきかに発展しないと、永遠に「腕」の差で終わってしまう。 方針を語るのは壮大で熱くなるのも知っている。でもそれに酔っていては、結果失敗すること必然で、 ジミではあるけれど、作業の精度を上げるほうがよほど重要である。 今年も残すところあとわずか。 開錠作業についての見直しを徹底的に図る覚悟が芽生えた。
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by A隊員 2004.12.24(金)晴 イヴの夜、誰にも分からない話し
港区にてガス欠の依頼が入ったのは、午前1時頃であった。 途中ガソリンを購入し、到着したのは25分後。 現地では、ラフなジャケットとウイングチップの良く似合うお客さんが待っていた。 給油中近くで見守るお客さん。 電話をかけようとしたり、時計を見たりと落ち着きがない。 また、どことなく懐かしい香りもした。 軽い感じだが厚みもある。ジバンシーのウルトラマリンあたりかな・・と思いつつ給油完了。 急ぎサインを残して、車は去って行った。 ロマンチックな夜、身の丈に合った服装で自然にキメタ紳士は、突然トラブルに遭遇する。 はたしてドラマの行方は・・・などと考えていたら、本部から電話がかかってきた。 先程のお客さんの知り合いの方からとの事で、転送する運びになる。 女性の方からで、作業の進捗状況を知りたいとの事。 すでに終わった事をお伝えすると、ほっとした様子が電話ごしに伝わってきた。 なぜ電話をしてこられたのかは不明である。またその後の様子は 誰にも分からない話しであった。 はたして今年のイヴの夜は、泣いている人が多いのか、幸せな人が多いのか なぜA隊員がこの時間に仕事をしているのか・・・ 誰にも分からない話しであった。
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by A隊員 2004.12.22(水)曇 路上のルール
目黒通り沿いでインロックしたとの知らせ。 帰る途中のA隊員に、持ってこいの要請だ。 到着まで19分。 現地ではお客さんの車以外に路上駐車はなく、見事なまでの工事前風景が広がっていた。 お客さんの姿が見当たらないので、電話をしてみると話し中であった。 呆然と立ちつくしていると、反対車線から工事関係の方に囲まれたお客さんがやってくる。 どうやら車がジャマで工事出来ないでいるようだ。 車はH11のインスパイヤで、5分以内で開錠する事をお約束する。 5分と聞いて、一斉に動き出したのは工事関係者だ。 ユンボにエンジンがかかり、待機していた人達が路上に出てくる。 開錠作業はプレッシャーを感じる間もなく1分で終了。 お客さんは「レッカーされる寸前でした。助かりました。」と慌てて車に飛び乗る。 さて帰ろうかと後を振り向くと、びっくり仰天。 自分のバイクはポールに囲まれ、隣りで穴を掘り始めているではないか。 もう少し遅れていたら、目黒通りの一部と化している A隊員のバイクであった。
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by A隊員 2004.12.21(火)晴 BMWの中にはお子さんが
目黒にて作業を終えると、大田区にて緊急事態が発生した。 BMWのインロックで、中には1歳のお子さんがいるという。 すでに格闘しているD隊員の救援に向かってほしいとの事。 現地に到着してみると、肝心のお子さんは熟睡している。 チャーミングなオバアちゃんと、必至の形相のD隊員といった不思議な絵がそこにあった。 ちょっとやそっとじゃ開かないのがBMWだ。 真夏なら激ヤバモードである。 選手交代した後、およそ15分で開錠できたのは運が良い。 チャーミングなお客さんとの会話がはずむ。 開錠40分、談笑40分と時間を忘れるぐらいだ。 後々悔しさがこみ上げてきたのはD隊員。 D隊員は開錠技術において、A隊員には1日の長があり技術の差だと理解している。 どうせ俺なんか・・的な落ち込み方になってほしくないものだ。 しかし今回の作業でひとつ判明したものがあった。 これを改善できたら助人の開錠レベルはグンと伸びるはず。 早速手配に動くA隊員。モヤモヤしているものが吹っ切れると気持ちがいい。 落ち込むD隊員に一言・・・「俺達の差は、こいつかもしれんよ」とある物を見せると しばらく考え込むD隊員・・・「じゃあ、Aさんとの技術は一緒だったんだ・・・」 ちょっと、予想した答えと違ったものが返ってきた。
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by A隊員 2004.12.20(月)曇 感謝される者の悦び
穏やかな冬の朝、遅出の出勤を満喫するのも束の間 一気に緊急モードへ転換させる要請が入った。 世田谷区の大原交差点にて電話を受けたのは9:35である。 渋谷区東にてインロックしたとの事で、難なく引受けようとしたが、 驚いたのは、お客さんが10時に車を動かしたいとの事であった。 急いでいる時は、ルート検索に時間をかけないほうが良い。 長年培った経験上間違いない。 まず、おおざっぱな方向を目標に走り出す。 信号の変わり目には右折レーンへ、停止するようなら歩行者になり代わる。 その内、後追いになるが最適ルートが確立してくる。まるでパズルのようなものだ。 以前上司に「6割以上出来る予測があるならば、トットと仕事に取り組め」と言われたそれに似ている。 さて、現地には9:50に到着した。 バイクを降りてからが大変だ。お客さんは、別の場所にある駐車場まで走り出す。 小走りはたくさんあるけれど、大きく手を振るのは久しぶり。さながら100m走だ。 待っていたのはH11のカルディナ、息を切らしながら鍵穴のぞけばハーフタンブラーがご挨拶。 作業開始するも時間が気になってしょうがない。不本意ながら10分後に開錠した。 時計は10:03であった。 慌てながらもA隊員「すみません。お時間のほうは大丈夫でしょうか・・」 無視するかのように車に飛び乗り、勢い良く車道側へ切り返すお客さん。 目の前を通過する瞬間「ありがとう。何とかなりそうです。感謝します。」 と言い残しあっという間に去って行った。 沸き立つテンションを抑えながら 最後の、感謝という言葉の余韻にひたった。
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by A隊員 2004.12.19(日)曇 VS ベンツE500
朝からA隊員出動しっぱなしである。 そんな中、目黒駅前でベンツE500がインロックしたとの知らせ。 お客さんは17:30まで会議なので、待ち合わせる事となった。 待つこと1時間。ようやくお客さんと合流。 そこで初めてトランクの閉じ込みであることを聞かされる。 セキュリティ上ドアからの開錠で、トランクが開かない事を説明すると お客さん・・「たしかリヤシートからトランクへ進入できたはず・・」 本部との話し合いで、最初にドアを開錠し、ダメならトランクを開錠する運びとなった。 ベンツは何度も開錠しているので、今更臆するところはないが、時間が断定できなかった。 左回しで15分、ようやく回るも施錠方向であった。 続いて右回しで5分、ドアを開けるとともに警報が鳴り響く。 早速リアシートを探るも、トランクへ通じる道はなかった。 続いて第2段、トランクアタック開始である。 ちなみにベンツのトランク開錠は2度あるが、どれも大変な思い出だ。 作業中、トランク開錠を得意にしているH隊員の顔がよぎる。 と、その時電話中のお客さんが大声を張り上げた。 お客さん・・・「ぇえ?こっちに来てるの?今どこ?・・・」 どうやら、お客さんの奥さんがスペアキーを持って来られるらしい。 結局トランクはスペアキーで開錠。 A隊員の激闘は幕を閉じた。 ただベンツに対するチャレンジ精神だけが燃え続けた。
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by A隊員 2004.12.16(木)晴 昼の発熱
朝は何事もなく、浜松町に立寄る。 急変したのは昼過ぎだ。身体の節々が痛く、とにかく寒くてどうしようもない。 1年ぶりの病であった。 あまりに急だったのでインフルエンザと思い病院へ急行。 検査結果は風邪であった。 めったに風邪をひかないA隊員。 しかし以前に風邪をこじらせ入院したことから、病に臆病なところもあった。 最近A隊員は特殊任務についている。 その疲れが祟ったかなと思いつつ、休養に入ります。
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by A隊員 2004.12.15(水)晴 救われた人は・・
板橋区のガソリンスタンドにてベンツE600がインロックしたとの知らせ。 激混みの環七を北上して22分、ベンツの隣りには恐そうな方が立っていた。 バイクを停めるとスタンドの店員さんが飛んでくる。 小声で「お客さんの車を洗車中インロックしてしまいまして・・」 すぐ事情を把握できるとともに、お客さんへご挨拶。 ご本人確認と作業説明をするも、返す言葉もなくサングラスなので表情も分からず、微動だにしない・・・ こちらは相当怒っている事が、瞬時に把握できた。 早速作業を始めると、予想通りにピッキングが出来る事に驚く。かなり調子が良い。 一時中断するも5分後に開錠、けたたましいサイレンとホーンが鳴り響いた。 セキュリティには驚かなかったA隊員だが、強面のお客さんが拍手したのには驚いた。 お客さん「兄さん。やるのぉ。」 実はスタンドの店員さんも、差し金での開錠は心得ているらしく、簡単な車なら解決してきたとの事。 ただ今回はベンツという事もあり、お客さんとの間で、難解な技術が必要とのやりとりがなされていたらしい。 無事お客さんと別れた後、店員さんが重い口を開く。 お客さんは急ぎの途中らしく、インロックした当初、目の前の環七は両面渋滞、ましてやベンツの開錠 という事で、絶望的だった事を聞かされる。 店員さん「いや〜生きた心地がしませんでしたよ。」 「まさかバイクで、しかもあっという間に開けちゃうんですね〜」 と大絶賛されて、鼻高々のA隊員。 最後に名刺をせがまれ「これからも、ぜひよろしく」といった時に A隊員「・・あれ?・名刺を忘れてきた?・・みたい・」 急いで取りに戻ったA隊員でした。
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by A隊員 2004.12.14(火)晴 最速記録
事務所に戻ってきた矢先、バイクを停めようと寄せていたら 「浜田山でインロック!向かって!」と激が飛んだ。 急いで後方確認、現地へ向かう。さながらタッチ&ゴーだ。 ほどなくしてメールが飛んできて詳細を把握する。現地まで4分。 路上に停めてあるワゴンRは、インロックした当初お客さん自身で、針金で開けようとした形跡がある。 ドアの隙間には傷が、路上にはプラスチックの破片が散乱していた。 1歩間違えたら、壊した責任を取らされるかも・・ 後々の事を考え、身の潔白を証明するべく、作業前の確認は念入りにした。 開始早々15秒で開錠。 傷ついた箇所のケアをアドバイスし、動作確認も無事終えて完了。 時計を見ると、ご依頼された時間から完了まで7分が経過しようとしていた。。 今までの中で最速記録である。 最近失敗していないのが少々恐い気もする、完璧な仕事であった。
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by A隊員 2004.12.13(月)晴 帰郷
13日は休みを取り、久しぶりにお袋様のいる実家へ行った。 東京へ出てからというもの、顔を見せる機会も減り、親不孝を積み重ねてきた。 およそ「東京さ出て錦を飾る」時代でもないが、心配はかけさせたくないのが本音だ。 地方出身者の、さらには次男坊の宿命は、自分の道を見つけることにある。 地元の兄弟と同じようなレベルで、親に接するよう望まれても限界がある事 すでに帰るべき所のない事を理解していただくには、長い時間が必要のようだ。 家を出てから13年経った今でも、昔と変らぬ風景がそこにあった。
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by A隊員 2004.12.12(日)雨 友人からの相談
以前観た映画で、CIA幹部がアメリカ全体を騒然とさせる話しを思い出した。 それは仮想の敵国を作り、民衆の危機感をあおる所から始まる。 全ては自作自演のCIA幹部は、自分たちの優位性、いわば特別な情報を持っている「大切な存在」に固執した。 大統領及び国民は、大いに振りまわされる話しだ。 そんな会社にいる友人から相談を受けた。 最近社長にまとわりつく、自称”情報通”の傀儡ぶりに嫌気がさしたとの事。 その人の地位を維持する為に、自作自演に協力するのは大きな無駄で 本来あるべき本業を全うしたいと言う。 以前A隊員も同じような会社にいた経験がある。 A隊員・・「今どき古典的な手だし、見抜ける人も多いだろう」 友人・・・・「残念ながら見抜けていても”情報通”の影響力に怯えているのが現状」 A隊員・・「そもそも社長は人格者(そう聞いていた)、人を見る目はあるでしょうに」 友人・・・・「そう願いたい・・・そうあってほしいんだけど・・」 このままでは、皆本業どころではないと深刻な言葉を残して別れた。 映画のオチは、CIA内部の告発によってハッピーエンドを迎える。 はたして友人の会社は昔のやりがいある職場に戻る事が出来るのだろうか。
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by A隊員 2004.12.11(土)晴 I隊員の怒り
I隊員がめずらしく仕事の愚痴を言い出した。それも激しいものだった。 中央区勝どきでのインロック。現場に行くまで車両は不明であった。 受注時に「カギを閉じ込んだから来て欲しい」で、一方的に切られてしまったらしい。 時間通りに到着すると、そこには有名な引越し屋さんが待っていた。 I隊員は、手順通りにご本人確認と作業説明に入ろうとした瞬間、 お客さんは「そんなものはいい。急いでいるから早く開けろ!」と詰め寄った。 お客さんの気合に押されたI隊員は、ご本人確認後すぐ作業に入った。 作業中お客さんから怒号が連発する。 「プロならすぐ開けて当然だろ!」「こっちは場所取りで急いでいるんだ!」 集中力を欠いたI隊員は何度か作業を中断せざるを得なかった。 「こっちは完璧な段取りでやっているプロなんだ!」「先方との約束に遅れたらおまえのせいだ!」 記憶に残る”つっこみ”を拾っていても、およそ作業どころではなかったようだ。 事前から現金でのお支払いはご了承済みであった。 開錠したとたん車に飛び乗るお客さんは、そのまま走り出す。 慌てて追いかけるI隊員。 ようやく料金清算の話しを出しても「お金はもっていない!急いでいるんだ!」の平行線。 結局本部から後請求させていただく運びとなった。 作業中謙虚に対応したというI隊員。 その後の怒りを全て吸収してあげたA隊員でした。
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by A隊員 2004.12.10(金)晴れ 慌てる花屋さんとA隊員
四番町にてルノーのカングーがインロックしたとの知らせ。 現場は結婚披露宴会場であった。 お客さんは花屋さんで、カングーは配達用の車。 早く開錠しないと、披露宴が始まってしまう雰囲気でスタート。 これが、しかし・・開かないのだ。 構造的にピッキングできないといったほうが良い。 およそ20分、悪戦苦闘していると「ある事」に気付く。 試してみるとあっさり開錠した。 お客さんは慌てて花を出荷し始める。 どうやら披露宴には間に合いそうな感じ。 しかし問題はカングーだ。 普通にピッキングしていたら時間だけが過ぎていく。 なので普通じゃない人たちの、 普通じゃないピッキングが求められる。
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by A隊員 2004.12.9(木)晴 HP更新しました。
ホームページの中身を少し変えてみました。 デザインは元のままですが、フレーム機能がなくなったので全てがスクロールするようになります。 2ヶ月前には少しかっこつけたくて、わざわざ素人丸出しのフレーム機能に挑戦しました。 しかし検索ロボットさんは、見て欲しいトップページを選んでくれません。 こちらに非はあるとは思いますが・・・ 初心者のための〜とか、誰でも出来る〜とかの本を読んだだけで作ってしまったホームページ。 ソース採点では、まだプラスに転じないのが悩みの種だ。 全てのブラウザで表示されるよう精進せねば。 あやふやな基礎の元、あれもこれもと付け加えた助人HP。 今更ながら初心に戻って勉強いたします。
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by A隊員 2004.12.7(火)晴 信頼回復への道
最近開錠依頼のなかったお客さんから、受注が入った。 実は先月の開錠作業に40分も費やした経緯があり、「助人は開錠ヘタ」とレッテルを貼られていないか、 ヒヤヒヤしていたお客さんである。 本当にうれしかった。というか入った瞬間興奮した。 プロを名乗る以上、開錠は出来て当り前で、いかに早く安全に開けられるかがカギを握る。 名前の通った鍵屋さんなら、時間がかかっても「きっと難しい鍵だったのね。しょうがない」で済まされるかもしれない。 でも助人サービスの場合はいかがなものか・・・ 先月の開錠件数は全体で147件、国産車が8割を占める。開錠時間を平均すると13分であった。 もちろん難解な開錠には30分以上費やしたり、1・2分で開錠するものも含まれた結果である。 学習効果もついてくるので、平均時間は早まってきているのが現状だ。 さて今回ご依頼いただいた杉並区和泉のインロックには、A隊員が出撃した。 名誉挽回とばかりに、はやる気持ちを抑えて安全運転。 現地まで10分。 車はトヨタのクイックデリバリーだ ご本人確認と作業説明を終えて、お客さんがタバコに火を付けた瞬間がスタートの合図。 作業中、適度に興奮した状態のままで、冷静になれる瞬間がある。 きまってうまく行く時のサインだ。”リーチ目の鉄板”にそれとなく似ている。 2分後に全てそろってシリンダーが回りだした。 書類をまとめて、全ての作業が終わる。時計は電話を受けてから15分しか経っていない。 早速完了報告だ。コール中、先方のオペレーターさんからの「え?もう終わったんですか?」と驚くことを期待した。 ・・・5分経過。まだつながらない。 ・・・・・・10分に差しかかろうとも、つながらないので裏技を使っちゃいました。 やはり今日は忙しいみたいだ。 驚いていただくのは、また後の機会にした。
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by A隊員 2004.12.5(日)晴 達成感の中身
I隊員が早帰りの為、午後から城東部を担当した。 もっぱら中央区の時間が遅れがちなので銀座で待機する。 夕刻千葉県浦安市にてアウディがインロックしたとの知らせが入った。 現地まで20分。舞浜駅のロータリーで、ディズニーランドの帰り客でごったがいしていた。 見物客の多い中作業開始。 周りからあれやこれやと言われながら15分後に右ドアを開錠。 キーはトランクの中だったが、A3は運転席からトランクに進入できるので無事終了。 ディズニーランド帰りの多くの方に祝福された。 色々な質問を投げかけられ、さながらインタビューされている気分だ。 少しアピールしていこうかと調子に乗ってきた矢先、江東区東雲(しののめ)にて要請が入った。 新品バッテリーを購入して、交換してほしいとの事。 購入するとなると時間を無駄に出来ない。 途中のカーショップに立寄るもヘルメットとグローブは着けたまま、店内も息を荒げながら猛ダッシュ。 現地にはトータル23分。作業もあっという間に終わった。 全てが終わるまでは無我夢中でも、お客さんから「ありがとうございました。」を聞いた瞬間 どっと押し寄せる疲れと、安堵感に満ちてくる。 また気持ちにゆとりが生まれる為か必要以上に謙虚になれる。 達成感とは一言で終わるが、よくよく味わってみたら その中にはさまざまな感情が詰まっていた。
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by A隊員 2004.12.3(金)晴 秩父でインロック
埼玉県秩父郡長瀞町にてポルシェがインロックしたとの事。 え?秩父の長瀞?と別世界を想像するA隊員。 実は渋谷区在住の方が秩父へお出かけした際、現地でインロックした。 キーはトランクの中らしく、現地の鍵屋さんではセキュリティーを解除出来ないとの事。 結果渋谷の自宅からスペアキーを持って、現地へ急行するといった流れになった。 まるでバイク便のような仕事でワクワクしたのはA隊員。 受付時間は14:15。 問題なのは、現地の駐車場が17:00で閉まる事だった。 一旦渋谷の自宅に寄り秩父までの道のりを、およそ2時間30分で成し遂げなければならない。 渋谷のご自宅でスペアキーをお預かりしたのは14:30。 首都高5号線〜外環〜関越練馬までは予想以上の渋滞だった。 花園インターから秩父街道を南下し、ようやく現地へ到着。 時間は16:05。時間どおりにお届け出来てなによりだった。 秩父まで1時間30分で行ける事を考えると、新たな売りに出来るかな? 東京レスキュー改め、関東甲信越レスキュー助人サービス・・・・・ やはり現地の業者さんが向かったほうが早そうだ。
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by A隊員 2004.12.2(木)晴 冬場の備え
本格的な寒さになってきた。 肌寒いのは前から感じていたものの、開錠作業に支障をきたすのは最近。 開錠についてはもっぱらピッキングなので、指先の保温に努めなければ。 走行中はグリップヒーターで保温することはもちろん 作業時は薄手のネオプレーンが効果的だ。 もう一つネックになるのは、鍵穴をのぞく時に使うスコープの曇り。 メガネの曇り止めは、あっという間に効果がなくなるので随時持ち歩く。 また体温を上げすぎない事が重要だ。 以上の事を踏まえた上で、走行中はヘルメットのシールドを開けっぱなしにする。 顔面をとことん冷やした上で、少しでも雲らないようにする為。 これからの季節 お客さんと合流できず、十分なジョギング後にピッキング・・・・・・・ということだけは避けたい。
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